ものづくりベンチャーたくらみブログ

ものづくりベンチャーでの起業をたくらむ20代ハードウェアエンジニアtottiの道程

ものづくりベンチャーの仕事【3】 会社を運営するために必要な仕事

前回と前々回に引き続き、ものづくりベンチャーの仕事内容を考えていきます。

1. ものを作る仕事 2. ものを売る仕事 3. 会社を運営するために必要な仕事

最終回の今回は、3. 会社を運営するために必要な仕事について考えます。

ものを作って売る以外の仕事

ものを作って売れれば会社として成り立つように思ってしまいがちですが、実際には(当然ながら)それだけでは会社を維持することはできません。特に次の3つの仕事は、どんな会社でも欠かすことができないものです。

  1. 全体最適を考える仕事
  2. 資金調達
  3. 法律で義務付けられている仕事

全てが重要で、ミスすると文字通り命取りになりかねない内容です。順にブレイクダウンしていきます。

1. 全体最適を考える仕事

会社全体として最適な判断は何かを考える、会社にとって最も大切な仕事です。作る仕事や売る仕事をしていると、どうしても自分の業務範囲を中心に物事を考えてしまいがちです。そこで、会社全体で見たときに何が最適かを判断して実行する仕事をする時間を別に取る必要があります。

普通の会社では人によって役割が分かれていることが大半でしょうが、ベンチャーでは社員数が10〜20人を超えるあたりまではプレイヤーも兼ねることが多いと聞きます。具体的な業務内容は会社の規模によって千差万別ですし、まだまだイメージできていない内容も多いので一例を挙げるにとどめます。

  • 経営戦略
  • 給与体系
  • 役割分担
  • その他たくさん

2. 資金調達

会社として活動するためには資金がいります。なければ調達する必要があります。調達方法は大きく分けて次のような選択肢があります。

  1. 知り合いからの出資
  2. 助成金
  3. ベンチャーキャピタルからの出資
  4. 銀行借入
  5. クラウドファンディング

1〜4まではベンチャーでは一般的な方法で多くの情報があります。特にこのサイト(http://www.linzylinzy.com/funding.html)がわかりやすくておすすめです。このサイト以上のことは語れないので1~4の詳細は割愛します。 さて、ここで詳しく触れたいのはものづくりベンチャーならではの選択肢と言える5. クラウドファンディングです。 クラウドファンディングとは、ざっくり言うと未完成の商品の予約販売ができるシステムです。(厳密には販売ではなく寄付にあたりますが、実際には予約販売として機能しています。詳しくはWikipediaなど参照) このサービスはものづくりベンチャーにとって単なる資金調達の選択肢ではなく、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  1. 一種の市場調査として機能するため、仮説検証の場となる
  2. 出資者(=未来の顧客)とコミュニティを構成できるため、ニーズの吸い上げが可能
  3. サイトに商品説明を載せるため、イノベーターに対して効果的に宣伝できる

このように、クラウドファンディングサービスはものづくりベンチャーが持つ弱点(検証の場がない、知名度がない、コミュニティがない)をカバーするような働きを持ちます。これを利用しない手はありません。実際に世界中の多くのモノづくりベンチャーがKick Starterなどのクラウドファンディングサービスを通じて世界中に商品を発信しています。 今後の起業準備ではクラウドファンディングサービスを利用する方針で準備を進めていくつもりです。

3. 法律で義務付けられている仕事

文字通り、法律で’これをやりなさい’と決まっている仕事です。やらなければ違法なので、やらざるを得ません。株式会社、合同会社、個人事業主など会社の種類によって義務付けられている内容は異なります。 また、メーカーとして活動するには特殊な届け出が必要な場合があります。例えば、電気用品を作るならば電気用品安全法に基づいて事業届出を行う必要があります。 必要最低限の労力で済ませたい仕事ではありますが、ミスがあると大きいため疎かにはできません。大きな会社であれば各手続きの専門家を社内に確保することも可能ですが、ベンチャーとしては十分なメンバーが揃うとは考えにくいため、必要に応じて社外の行政書士に業務依頼する等、プロの力を借りるのがリーズナブルな選択となりそうです。

まとめ

  • ものづくりベンチャーと言えども作って売る以外の仕事もしなければいけない
  • 全体最適を考える仕事と具体的な仕事は区別して扱う
  • ものづくりベンチャーならではの資金調達方法と言えるクラウドファンディングはとっても有用。それありきで起業までの道筋を考える
  • 法律で義務付けられている仕事は必要に応じて外注を検討する