ものづくりベンチャーたくらみブログ

ものづくりベンチャーでの起業をたくらむ20代ハードウェアエンジニアtottiの道程

ものづくりベンチャーの仕事【1】 ものを作る仕事

何の準備をしていけば良いのか考えるため、まずはものづくりベンチャーがどんな仕事をしているか考えてみます。

ものづくりベンチャーは、言わずもがなですが世間一般で言うところの「メーカー」の小さい版です。メーカーは"モノを作って売る会社"なので、その仕事は次の3つに分類できます。

  1. ものを作る仕事
  2. ものを売る仕事
  3. 会社を運営するために必要な仕事

さらにひとつずつ細かく分類していきながら、スタートアップに必要な仕事内容を考えていきます。 今回は1. ものを作る仕事について考えていきます。

ものを作る仕事

ものづくりベンチャーの仕事として真っ先に思い浮かぶのはこれでしょう。ものを作るのにはいくつかステップがあります。

1. 発想

イデアとかネタとか呼ばれるものを作るステップです。これをやればできる、という決まりきったものではないため、素人でもできるしプロにも難しい仕事です。そのため、大企業に対してベンチャーが弱くなく、対抗しやすい領域と言えます。具体的な方法論を書いた書籍としてアイデアのつくり方イシューより始めよが有名です。

2. 企画

発想したアイデアからこれを作れば売れるという商品像に作り替えるステップ。アイデアが商品として売れるものになるかどうか判断するステップともいえます。何をいつどこで誰にどうやって売るか、なぜ売れるのか(必然性)を明確にすることが目的です。この段階ではユーザーヒアリング等の市場調査が必要となりますが、その点では既存企業にメリットがあります。一方で大企業では過去の成功を拠り所にして考えるあまり、全く新しい企画は通りにくい、という話もよく聞きます。

3. 開発

企画のステップで決めた通りの商品を作り上げるステップ。実際にはそっくりそのまま具現化できることはできないので、都度企画を修正しながら進めることになります。ものづくりと言えばこのステップのイメージがとても大きいですが、付加価値の量はむしろ発想や企画の方が大きいのが普通です。大きな資金が必要な開発内容では大企業に負ける可能性が高いので注意します。

4.生産

開発した商品を量産化するステップです。工場の手配、ライン設計や工程設計、材料の仕入れルート確立など、安定してモノを作り続けられる状態を確立するのが目的です。

外注化を考える

上記のものづくりの4ステップはすべて自社で行うこともできますが、一部外注化することもできます。例えば4.生産を外注化するOEMはものづくりベンチャーの常套手段です。OEMで生産を行い、自社で工場を持たないメーカーを指す"ファブレス"という言葉もあります。また、3. 開発まで合わせて外注化して、自社では付加価値の高い企画までのステップのみ行う(ODM)企業も増えています。さらにツイッター等のSNS上で「あなたの考えた○○が商品になるかも!」的なキャンペーンを行い、1.発想の仕事を外注化する施策を行う企業も見られます。ちなみに1~4まですべてを外注化するともはやメーカーではなくなり、公には卸売業に分類されるそうです。( ファブレス - Wikipedia より)

さて、様々な選択肢がある中でものづくりベンチャーが選択すべきなのは4.生産のみを外注化する方法だと考えています。理由は二つあります。

1つは開発資金が少ないため工場などの資産へ投資することが実質不可能であること。この制約により工場がなくても生産が間に合うような小ロットの商品以外では4.生産の外注化が本命になります。資金の借り入れやクラウドファンディングの利用等によって初期費用を捻出して工場を作ることは不可能ではないかもしれませんが、初期段階で大きな固定資産を持ってしまうのはリスクが大きすぎると判断します。

もう1つの理由は、3.開発までのステップを外注化してしまうと強いこだわりのない商品になる可能性が高いこと。ものづくりベンチャーが生き残るにはファンを作ることが必要条件※だと考えています。そのファンを作るためには、商品への強いこだわりが欠かせません。同じ理由で、商品自体だけでなく外装(箱や包み)やパンフレット、説明書に至るまで、お客さんとの接点となるものは全て自社でコントロールする必要があると考えています。

開発まで外注化するとノウハウが溜まらず継続的な経営が難しそう、開発楽しいとか理由は他にもちらほらありますが、決め手となったのは以上の2点です。この考えを元に発想~開発までは自分で進められるように準備していきます。また生産に関しては、どのような外注化の方法があるのかを調べて最適な方法を探します。


まとめ

  • ものを作る仕事には4つのステップがある
    1. 発想
    2. 企画
    3. 開発
    4. 生産
  • ものづくりベンチャーでは発想~開発までを自社で、生産は外注化するのが現時点での最善策